
作品のタイトル付けって意外と難しいですよね。今回は様々な例をあげながらタイトルの付け方のコツを解説します!
タイトルは作品の顔

読み手がいちばん初めに読むのはその作品のタイトルです。
タイトルだけで作品の中身の評価が変わるというわけではないですが、かっこよくてセンスのあるタイトルを付けるに越したことはないですよね。
『タイトルは作品の顔』という言葉を聞いたことがあると思います。
まさにこの言葉の通りで、作品の中身を知らない人に、なんとなく興味を持ってもらうためのものがタイトルなのです。
『人は見た目じゃない』とよく言いますが、中身を知らない場合は見た目で判断するしかありません。
とりあえず、顔が良ければ興味が湧くというのが人間なのです。
あなたの作品の顔は、あなたの好きなように決められるのです。妥協せず、できるだけかっこいい顔を付けてあげてみてください。
映画のかっこいいタイトル例

タイトル付けは言ってしまえば、結局センスとか自分の好みの部分だとは思います。
まずは、僕が個人的に好きな映画監督のかっこいいと思う映画の作品タイトルを紹介してみます。
スタンリー・キューブリックの映画
- 博士の異常な愛情
- 2001年宇宙の旅
- 時計仕掛けのオレンジ
- フルメタル・ジャケット
- アイズワイドシャット
アルフレッド・ヒッチコックの映画
- バルカン超特急
- 見知らぬ乗客
- 裏窓
- ダイヤルMを廻せ!
- 北北西に進路を取れ
ジャン=リュック・ゴダールの映画
- 勝手にしやがれ
- 女は女である
- 女と男のいる舗道
- はなればなれに
- 気狂いピエロ
デヴィッド・リンチの映画
- イレイザーヘッド
- エレファントマン
- ブルーベルベット
- ワイルドアットハート
- ロストハイウェイ
黒澤明の映画
- 虎の尾を踏む男達
- 酔いどれ天使
- 七人の侍
- 隠し砦の三悪人
- 悪い奴ほどよく眠る
このように監督別で見てみると気がつくと思うのですが、タイトルには作者の色がしっかりと反映されています。
まずは『あなたの色』『あなたの作品の色』は何かをじっくり考えてみましょう。
『色』とは『ジャンル』とも言い換えられると思います。
作品の中身がコメディならタイトルもコメディ調、作品の中身がシリアスなドラマならタイトルもシリアスドラマ調で作るべきです。
『自分の色』と『作品のジャンル』に合ったタイトルを付けてまずは作品の売りをはっきりさせましょう。
かっこいいタイトルの付け方のコツ

かっこいいタイトルを付けるにはコツがあります。
あなたの作品のタイトルがイマイチしっくりこないのは、ちょっとしたコツを理解していないからかもしれません。
コツ①反対の位置にあるものを組み合わせる
- セーラー服と機関銃
- もののけ姫
- 戦場のメリークリスマス
- 戦場のピアニスト
これは物語が出来上がってから最後に付けたタイトルではなく、この発想ありきでタイトル(もしくはコンセプト)が最初に出来てから物語を書いたタイプのものだと思います。
わりとセンスの部分だとは思いますが、こういったタイトル(物語)を考えるときの思考回路自体は単純です。
①その作品の象徴的な物や人や場所を表す言葉を考える。
セーラー服、姫、戦場など。
②その象徴的なものと反対の位置にある言葉を考える。
セーラー服⇔機関銃、姫⇔もののけ、戦場⇔メリークリスマスorピアニスト
セーラー服の反対は学ランだろと思う人もいると思いますが、タイトルをつけるときはもうひとつふたつひねりが必要です。
セーラー服→学校→女子→か弱い⇔屈強→男→戦場→機関銃
このように派生する言葉をつないで反対の位置にあるワードを探していくのがいいと思います。
相容れないものを組み合わせると、良いタイトルが作りやすいだけでなく、見たことない画を思いついたり、面白い話を考えやすいのでオススメです。
コツ②別の言葉に変えてみる
今付けたタイトルがしっくりこないという場合は別の言い回しや別の言語に変えてみましょう。
別の言い回しを探すときはこちらの類語辞典を使ってみてください>>>>日本語ソーシラス連想類語辞典
では仮にあなたが自分の作品に『もののけ姫』というタイトルをつけてみたけど、何かしっくりこないという場合を例にあげてみます。
まず類語辞典で『もののけ』と検索します。

『もののけ』の類語がたくさん出てきます。
次に『姫』と検索します。

『姫』の類語もいっぱい出てきました。
これらを好きなように組み合わせてみると・・・
- 呪力王女
- 怨念プリンセス
- プッツン姫さま
- ファントムアイドル
- 異常感覚夜の姫君
- 風狂な乙姫
結構めちゃくちゃになりますが、知らなかった言葉や言い回しがたくさん出てきます。
いろいろな組み合わせを考えることができるので、ベストな言い回しを見つけるために類語辞典を活用してみてください。
コツ③キャッチコピーを考える
キャッチコピーとは、人の注意を引く宣伝文句のことです。
まずは、自分の作品の宣伝文句を考えてみましょう。
宣伝文句をそのままタイトルにしてしまうのもひとつの方法です。
映画のキャッチコピーの例>>>>【感動が甦る】映画のキャッチコピー – NAVER まとめ
キャッチコピーを考えるときのちょっとしたコツとして、「数字を入れる」というやり方があります。
- 『最高の人生の見つけ方』――余命6ヶ月、一生分笑う。
- 『マディソン郡の橋』――永遠の4日間。
- 『火垂るの墓』――4歳と14歳で、生きようと思った。
タイトルが長すぎるのは良くないので、短くスパッと言えるように直してみましょう。
実際にタイトルに数字が入っている映画は結構たくさんあります。
- 『世界にひとつのプレイブック』
- 『4ヶ月、3週と2日』
- 『百円の恋』
- 『七人の侍』
- 『十二人の怒れる男』
短いキャッチコピーはそのままタイトルになり得ます。キャッチコピーを考えるのは実際かなり難しく、個人のセンスによるものかもしれませんが、自分の作品を端的に表す宣伝文句をしぼり出してみましょう。
タイトルの付け方については『ぐっとくる題名』という書籍もオススメです。映画の題名だけでなく、小説、絵本、漫画、音楽、ゲームなどの印象的な題名のものを取り上げ、なぜ「ぐっとくるのか」をバカバカしいほど徹底的に分析してあります。
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