シナリオを読んで、「あーおもしろかった」で終わっていては、脚本を書くスキルは身につきません。知っての通り、読むことと書くことはまったくの別物です。
ですので、前回の記事『【厳選7冊】脚本家になるために読んでおくべきシナリオはコレだ』で紹介したようなプロの脚本家のシナリオを読みつつも、自分の作品に生かせるようアウトプットしていく必要があります。
本記事では、脚本初心者がシナリオを読みつつやるべきこと3つを書いていきます。
実際に僕がやっていた勉強やアウトプットの方法を紹介するだけなんですが、脚本初心者の方向けに参考になれば幸いです。
シナリオを読みつつやるべきこと3つ

以下の3つです。
- ①使えそうな技術をメモしてインプット
- ②メモした技術を自作でアウトプット
- ③脚本を最後まで書き切る
では、順にみていきましょう。
①使えそうな技術をメモしてインプット
脚本を読んだだけではおもしろい脚本を書けるようにはなりません。
ここが「面白い」・「上手い」と思ったところをメモに書き留めるのが効果的です。
ノートでも、スマホのメモアプリでも、何でもいいので、まずは自分がおもしろいと感じたところを片っ端からインプットしていきましょう。
脚本家の尾崎将也先生は、映画を観ておもしろいと感じた部分をカードにメモしてジャンルごとにまとめていたと『3年でプロになれる脚本術』で書いていました。
これから脚本を勉強していくぞという方にかなりオススメの本です。
○知識をメモするノートの例
下記は僕が作っているメモです。


もちろん、ノートに書いたりもしますが、上記のようにKindle版だったら、自分が面白いと思った部分にマーカーを引いて、スクショして、エバーノートにその画像を保存します。これが一番楽です。
「手書きでノートにメモしないと忘れちゃうじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、僕はメモしようが何しようが忘れます。
大事なのはいつでもメモを見返せるようにしておくことです。
何度も何度も見返すことによって、自分が何をおもしろいと感じるのか、なぜおもしろいと感じるのか、パターンのようなものがだんだんと分かってきます。(これには結構時間がかかりますが)
僕はスマホのアプリに入れてまとめておいたほうが見返しやすいのでこのようにしていますが、もちろん自分に合ったやりかたでいいと思います。
プロの脚本を読んでみて、「面白い」「真似して自作でも使ってみたい」などそんな部分があったら、どんな方法でもいいので、後から見返すことができるよう必ずインプットしておきましょう。
まずは大量のインプットを意識してみてください!
② メモした技術を自作でアウトプット
色々シナリオを読んでいると、気に入ったパターンや書き方などが出てくると思います。それをまずは真似してみましょう。
自分でシナリオを書いていると、柱やト書きの部分などで、どう書いたらいいのだろうということが出てきたりすると思います。
そんな時は、自分で作った大量のメモを見つつ、ヒントを探してみましょう。
そのように少しずつアウトプットしていくことで、だんだんと自分のものになっていく感覚が分かってくると思います。
プロの脚本を読んでると、「こういう表現の仕方をするのか!」ということがよくあります。
それを自分のシナリオでも使ってみると、シナリオの技術が身についていきます。
大量のインプットができたら、それをもとにアウトプットをしていきましょう!真似で問題なし!
③脚本を最後まで書き切る
何度も言っている通り、脚本を読むだけでは書けるようになりません。
そしてインプットしたメモを使いつつアウトプットするだけでもダメです。
脚本でレベルを上げるために大切なことは、できる限りたくさんのオリジナルシナリオを最後まで書き切り完成させることです。
「物語をひとつ完成させる」というのは本当に難しいことです。創作を志し、努力してようやくたどり着くことのできるるステージだと思います。
技術の向上のために、何作もの自作のシナリオを書き切る経験は必須です。
読むだけでは書く技術はもちろん上達しませんし、ラストまで書かないことには技術は身についていきません。
面白い脚本を書くには、「キャラクター・構成・ト書き・セリフ・小道具」などといった技術が必要ですが、シナリオを書き続けることにより、無意識でも使えるワザが増えてきます。
一流のプロが書いた脚本を読み、技術をメモして、それを真似しつつ自分のシナリオを完結させてみましょう。
もちろん初めのうちは、書く脚本の尺は長くなくて大丈夫です。
シナリオセンターの20枚シナリオとか、なんなら3枚シナリオでもラストまで書けば、ちょっとずつレベルアップできます。
いきなりフルマラソンはキツイので、ちょっとずつ走れる距離を伸ばしていけばいいのです。
短いシナリオで訓練を積めば、コンクールに出せるような尺のシナリオも書けるようになっていきます。
僕自身の経験から言っても、しっかりとしたインプットさえあれば、書けば書くほど技術は向上していきます。
プロの脚本を読む→技術を真似して→オリジナル作品を書き切ってみる。これが上達への近道だと思います。
というわけで、今回は以上です。

ではまた次回!
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