今回は、こういった疑問に答えます。
本記事では、脚本初心者にオススメな本と具体的な実践の訓練の重要性を解説します。
本を読んで脚本の知識が増えたとしても、実際に手を動かさない限り、本を読んでないのと同じです。
知識と実践がセットになることで、だんだんと面白い脚本が書けるようになり、成長することができます。
僕は脚本の勉強を始めて5年ほど。スクールに通ったり、映画を分析したりもしましたが、いちばん知識の吸収としてコスパが良かったのは、脚本を学べる本を読むことだと思っています。
ただ、本で学んだからといって面白い脚本が書けるようにはなりません。大切なのは実践なので本記事ではそこの部分も解説していきます。
それでは、さっそく見ていきましょう。
脚本家になるために読むべき脚本の参考書【厳選7冊】

今回紹介する本はすべて僕が実際に読んで本当にためになったなと思うものだけ厳選しています。
今、家にある脚本関連の書籍を数えたら30冊ほどあったのですが、その中から厳選した7冊を紹介するので、一応記事の信頼性担保になるかと思います。
SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術
この本で特に役立つのは「ジャンル」と「ビートシート」の部分です。
著者のブレイク・スナイダーは物語には10のジャンルがあると言っています。それはラブコメとかSFとかそういうジャンルのことではなく、物語の型のことです。
たとえば『ジョーズ』と『エイリアン』は同じ「家の中のモンスター」というジャンルで、『スター・ウォーズ』と『オズの魔法使い』は同じ「金の羊毛」というジャンルだと書かれています。
10個のジャンルが紹介されており、このジャンルによって物語の型が決まっていて、それらを元に自分の脚本も書いてみようというものです。
「ビートシート」については当ブログで解説済みですが、「ジャンル」についてもそのうち解説すると思います。
とにかくこの本を読めば、すぐに物語の骨格は作ることができるようになると思います。
物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術
この本でいちばんためになったのは「キャラクターのアーキタイプ」の部分です。
主人公(ヒーロー)、影(シャドウ)、賢者、使者、戸口の番人、変身する者、トリックスターなど、物語において必要なキャラクターが学べます。
僕はこれを元にキャラを配置して、相関図を書くようにしています。
そして何より、プロの脚本家2人が脚本の細かいテクニックを惜しみなく公開してくれていてとても参考になります。
物語創作の本質が分かる本だと思います。
映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと
世界中でベストセラーになったシド・フィールドの脚本術。amazonの映画論カテゴリーで、今もベストセラー1位になってるみたいです。
本書には映画の引用がおそらく150本くらいあって、読者がそれらの映画を観てること前提で解説してるので、ある程度たくさんの映画を観てから読むべき本です。
とりあえず最低限、先に観ておいたほうがいい映画をあげておきます。
- 『明日に向かって撃て!』
- 『アニー・ホール』
- 『アメリカン・ビューティー』
- 『ゴッドファーザー』
- 『ショーシャンクの空に』
- 『チャイナタウン』
- 『テルマ&ルイーズ』
- 『マトリックス』
- 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ
かなり参考になる本なのですが、先にこれらの映画を観てからじゃないと半分も理解できないかと思いますのでご注意を。
ただ上記にあげた映画は脚本家になるなら観ておかないといけない名作であることも確かなので早いうちにチェックしておくことをオススメします。
「感情」から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方
コンセプト、テーマ、キャラクター、プロット、構成、シーン、ト書き、セリフなど、脚本を書くにあたって必要な知識やテクニックを網羅的に学べる本です。
「脚本を読んだ人に感情的な体験をあたえることがすべてだ」というアプローチのもと、かなり細かく書かれています。
なかなか「ト書き」のチャプターだけで40ページも解説している本はないと思います。
全400ページ越えのけっこう分厚めの本なので読むのに時間はかかると思いますが、脚本家になるための必読書だと思います。
とりあえずこの本1冊読んでおけば、脚本における技巧を大量に学ぶことができます。
シナリオ錬金術 ちょっとのコツでスラスラ書ける33のテクニック
超初心者が読んでもしっくりこないと思うので、脚本の基本を勉強した上で読むのがオススメです。
この本はさまざまな脚本テクニックを簡単でキャッチーな言葉で説明してくれていて、スラスラ読めてしまいます。
ハリウッドの脚本術書にも書いてないようなことが分かりやすく解説してあったりしてわりと目からウロコです。
特に僕がためになったと思うのは「止めて美味しいおでんの術」「ピタ!ポト!ガシャーン 三段活用の術」「山椒は小粒でもピリリの術」「鼻から西瓜を出すの術」「カレーにチョコレートの術」などです。
「ストーリーを面白くなるよう作るのではなく、キャラクターの葛藤を作れば面白くなる」という信念のもと解説してあり、とても参考になります。気になる方はぜひ。
3年でプロになれる脚本術
脚本の書き方が学べるというよりは、面白い脚本を書けるようになるにはどう勉強したらいいのかという訓練方法を書いた本です。
『アットホームダッド』や『結婚できない男』を書いた脚本家の尾崎将也先生が、どうやって脚本の勉強をして脚本家になったのかが書いてあります。
僕もこの本に書いてある映画分析をマネしてやってみて、とても効率的に質の良いインプットができました。
注意点としては、インプットだけしてても脚本を書けるようにはならないので、そこだけ勘違いしないようにということですね。
本を読み終わる前に脚本初心者がやるべきこと【超重要】

ずばり、『本を購入しつつ、読んで知識をつけつつ、執筆を始めること』です。
まず読書をして知識を完璧にしようとする、というのはよくある失敗パターンです。
『面白い物語の書き方』みたいな本を読むと、勉強してる感とか頑張ってる感が出て、知識も吸収できて気持ちいいんですが、これが落とし穴です。
僕も完全にこの落とし穴にハマりました。今思えば、これは失敗が怖くて執筆を先延ばしにしてただけなんですよね。
そんな数年前の自分に言ってやりたいことは「知識を増やそうとするんじゃなくて、まずできる範囲から今すぐアウトプットしろ」ということです。
自分が何が分からなくて何ができないのかを知らないと、インプットはただ自己満足で終わってしまいます。
インプットしたらすぐアウトプットする、ひとつ知識を得たらひとつ実践する、ということがいちばんの近道だと思います。
「でも実践ってどうやればいいんだ?」という方に最強にオススメなのが最後に紹介するこちらの本です。
1億人の超短編シナリオ実践添削教室
著者が誌面でお題を出して、それを元にペラ3枚分のシナリオを読者に提出してもらって、それを例にあげて解説をしています。
この本はシナリオを書いたこともない超初心者の人が読んでも意味が分からないかもしれません。
ですので「ちょっと書いてみたけどなんか面白くならない」という創作に行き詰まった人たちにはかなりオススメできます。
この本は読むだけでは真の効果を発揮しません。本の中で課題が出てくるのですが、その課題を元に自分でシナリオを書いてみてください。
ペラ3枚だったら1日1本書けます。本書には40個のお題があるので、全部やっても1ヶ月半ほどでクリアできてしまいます。
僕もこれを実践してみて、自分の脚本がレベルアップしたことを肌で感じました。そして書くことは楽しいことだと気づかさせてくれました。
とにかく書くことを習慣にできるし、コンクール応募のための長編のアイデアの種も生み出すことができるし、一石何鳥にもなります。
まずはKindle版のサンプルで最初のお題3つ「出会い」「秋刀魚」「初心者」まで無料で読めるので、ぜひ実践してみてください。
こちらから無料サンプル読めます>>>>1億人の超短編シナリオ実践添削教室kindle版
画家になるには絵を描くしかないのと同じように、脚本家になるにはとにかく脚本を書くしか方法はないのです。実践あるのみ!
というわけで今回は以上です。

楽しむことを忘れないように!
ではまた次回!
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