脚本の勉強を始めようと考えている人・・・

面白い脚本を書く方法を知りたい。勉強したいけど、スクールに通うにも結構なお金がかかるし・・・。

物語の創作は本で学べる!今回は初心者にオススメの脚本の勉強本を3つ厳選して紹介します。本を読んだ上での勉強法もあわせて解説します。
①『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』
まずはじめに紹介するのは『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』です。
この本で学べるのは、ズバリ脚本の“構成”についてです。
脚本の構成って何?って感じだと思いますが、この本を読めば大体分かります。
脚本には、面白くなると考えられている構成がすでに確立されているのです。
起承転結、三幕構成、といったような抽象的なものではなく、この本ではもっと具体的にさらに細かいパートに分けられて書いてあります。
僕はコンクールの応募などで脚本を書くとき、必ずこの本に書いてある構成にそって物語を組み立てていきました。
構成以外にも細かいテクニックなどについても書いてあります。
タイトルにもなっているSAVE THE CAT(ネコを救え!)というのは物語の主人公を観客に最初から共感してもらうためのひとつのテクニックです。
ベタであまりよくない例かもしれませんが学校一の不良が捨て猫を拾ってエサをやるというシーンがあると人は自然とその不良に興味や共感がわいてしまうといったようなことです。
言われてみればその通りなのですが、実際に自分で物語を書くときこれを知っているのといないのとでは書けるものがまったく違ってきます。
僕は脚本家連盟というプロの脚本家として活躍している先生に直接教えてもらえるスクールにも通っていたのですが、その先生も今も仕事の際、この本に書いてある構成のとおりに脚本を書くとおっしゃっていました。
とにかくまずこの本を読まないことには脚本の基礎の基礎ができません。脚本家を目指す人の必読書です。
②『感情から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方 』
続いて紹介するのは『感情から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方 』です。
コンセプト、テーマ、キャラクター、物語、構成、場面(シーン)、ト書き、台詞について書いてあります。
『感情から書く脚本術 』では脚本というもののあり方を網羅的に学ぶことができます。
この本に書いてある要素すべてが合わさって脚本の形になるのです。
そしてすべては観客の感情を動かすためのものであるとこの本には書いてあります。
実際、僕はこの本を読むまでは凝ったログラインを考えるだけでキャラクターの設定をおろそかにしたり、テーマを考えず好きに書いたりしていましたが、この本を読んでそれはやめました。
物語というのは前提として観客の感情を動かすためのものだということを分からせてくれる本です。
ボリュームのある本ですが、僕はいつも困ったときにこの本を開いて助けてもらっています。
③『3年でプロになれる脚本術 』
最後に紹介するのは『3年でプロになれる脚本術』です。
これは現役の脚本家である尾崎将也先生が書いた本です。
尾崎先生の代表作としては『結婚できない男』、『梅ちゃん先生』などがあります。
この本に書いてあることで印象的だったのは脚本におけるアナログとデジタルの話です。
ストーリーはデジタル。人間はアナログ。
初めて読んだときはよく分かりませんでした。
しかし実際何本も脚本を書いていくうちにこの意味がだんだんと腑に落ちてくるようになります。
さすが日本人のプロの脚本家が書いた本だけあって、このように他のハリウッド式脚本術とは少し違った角度から脚本のロジックを解説しています。
実際に僕もこの本を読んで一応3年以内にプロになることができました。(ゲームのシナリオライターですが笑)
脚本のことを本で勉強する際の注意点

これらの本を読むとめちゃくちゃモチベーションが上がります。
何か自分にもすばらしい物語が書けそうだ!という気分になります。
しかし、厳しいことを言ってしまうと本を読んだだけで面白い脚本が書けるようになるということは一切ありません。
たとえばサーフィンの初心者がユーチューブでプロサーファーが華麗に波に乗る動画を何度見てもサーフィンができるようにはならないのと同じで、実際に海に行ってとにかく練習しないことには上達することはありえません。
実際僕も、この落とし穴にハマっていました。
本を読んで勉強。
映画を観て勉強。
そしてまた本を読んで…
…といったように。
あれ?脚本を書くんじゃなかったの?と。
お分かりの通り、これではいつまで経っても面白い脚本が書けるようにはなりません。
とにかくパソコンに向かって脚本を書いてください。
本を買って満足。読んだだけで満足。
なんてことは皆さんはくれぐれもしないように。
学んだ脚本の知識のアウトプット方法

そんなこと言ったって、インプットしなきゃアウトプットもクソも無いだろうと思いますよね。
たしかにそれはそのとおりです。
しかし初心者の頃からインプット8、アウトプット2くらいの割合で勉強を進めることをオススメします。
10:0でインプットして映画ばかり観てたら、ただの映画好きの人になっちゃいますからね。
いきなりオリジナルの物語を120ページ(おおよそ2時間の映画で120ページ)書くのは難しいと思います。
なのでまずは、好きな映画の好きなシーンを文字に起こしてみるのでもいいです。
僕が実際やっていた方法ですが、最初の頃はこれも立派なアウトプットの一つだと思います。
脚本は書けば書くほど書きやすくなっていきます。
例に出したサーフィンだっておそらくそうでしょう。
初めはインプットありきですが、アウトプットも少しずつでいいのでしていきましょう。
①まずは海に入って、ボードに立つ。(パソコンで文字を打つ)
②そして波に乗る感覚を掴む。(脚本の形式に慣れる)
③少しずつ波に乗れる距離を伸ばしていく。(最初は短い脚本を書くだけでOK)
サーフィンをするためには実際の練習が必要なのは皆さん分かると思います。
脚本だって同じなのです。
日本語の文章を書くことは皆さん得意だと思います。
しかしただの文章を書くことと、脚本を書くことはまったく違うのです。
そのほかに僕がやっていたアウトプットの方法
①実際の脚本が書いてある本(月刊シナリオなど)を見てパソコンに書き写す。
②最近実際にあった印象に残った出来事を脚本の形式でかく。
③シナリオセンターの20枚シナリオを制覇する。
④好きな映画などのキャラクターを使ってその映画にはないオリジナルのシーンを書く
⑤自分の身近にいる人物を主人公にして短い脚本や、シーンを書く。
⑥コンクール用のオリジナル脚本を書く。
慣れてきたら一時間もののオリジナルの作品が対象のコンクールに自分の作品を出していくのがいいと思います。
アウトプットは最初慣れるまで結構大変だと思います。
しかし、この記事を見ている皆さんは文章を書くのが好き、物語が好き、人を楽しませるのが好き、という人たちだと思うので楽しみながらできると思います。
ぜひ、参考にしてみてください。
まとめ
『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』 ・・・脚本家になるために知っておかなければならない物語の構成のテンプレートが解説されていて、それがいちばん役に立ちます。初心者から中級者まで幅広くオススメ。
『感情から書く脚本術 心を奪って釘づけにする物語の書き方 』 ・・・脚本のセオリーが網羅的に解説されていてボリュームのある本。初心者には少し難しいかも。コンクールに脚本を一本は出したことがあるという人にオススメ。
『3年でプロになれる脚本術』 ・・・「日本で脚本家として食っていきたいんだ!」という人の必読書。他の書籍にはあまり書いてない具体的な勉強法や脚本家になるための道筋が、図と共にとても分かりやすく解説されている。サクッと読めるし、とても身になる。
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