脚本家を目指している人・・・

面白い物語を書けるようになりたい!
でもどうやって話を書き始めればいいのか分からない。

物語を書くにはコツがある!
今回は物語の構成について解説していきます。
◎この記事で分かること・・・
■物語の構成が分かる
■的確なファーストシーンを作れるようになる
『SAVE THE CATの法則・本当に売れる脚本術』はシナリオを書いたことがない初心者や、上手くシナリオが書けない人を救う最強の脚本術の本だと思います。
『SAVE THE CATの法則』を読んだことが無い人は、ぜひ読んでみて下さい。
今回の記事では、『SAVE THE CATの法則』のチャプター4に記載されている“ブレイク・スナイダー・ビート・シート”を紹介します。
本を読んだだけではちょっと分かりにくい部分まで詳しく掘り下げていきたいと思います。
“ブレイク・スナイダー・ビートシート”とは

まず、今回紹介する“ブレイク・スナイダー・ビートシート”とは『SAVE THE CATの法則』の著者であるブレイク・スナイダーが発明した独自の脚本構成のテンプレートです。
ブレイク・スナイダーは、以下の15項目のテンプレートに脚本の構成のパート分けをしました。
1.オープニング・イメージ
SAVE THE CATの法則・本当に売れる脚本術
2.テーマの提示
3.セットアップ
4.きっかけ
5.悩みのとき
6.第一ターニング・ポイント
7.サブプロット
8.お楽しみ
9.ミッド・ポイント
10.迫り来る悪い奴ら
11.すべてを失って
12.心の暗闇
13.第二ターニング・ポイント
14.フィナーレ
15.ファイナル・イメージ
それぞれのパートの意味も以下に記載します。
【オープニング・イメージ】
物語のイメージや雰囲気を伝えるファーストシーン
【テーマの提示】
作品のテーマを提示する
【セットアップ】
主要な登場人物や、舞台などの物語の設定を説明する
【きっかけ】
物語が動き出すきっかけになるできごとが起こる
【悩みのとき】
きっかけとなるできごとによって主人公が悩む
【第一ターニング・ポイント】
主人公が自らの意志で行動して物語が本格的に動き出す
【サブプロット】
メインから少し離れたサブストーリー
【お楽しみ】
作品の売りになる部分を見せる場面
【ミッド・ポイント】
物語の流れが変わるポイント
【迫り来る悪い奴ら】
すべて上手くいっていたように見えた主人公に困難が襲いかかる
【すべてを失って】
主人公が絶不調になる
【心の暗闇】
解決策を見つける前の一番暗いシーン
【第二ターニング・ポイント】
主人公が最悪の状況から抜け出す解決作を見つける
【フィナーレ】
物語の中で教訓を学んで成長した主人公が勝利する
【ファイナル・イメージ】
オープニングと比べて主人公がどのように変わったのかを見せる
ざっとこんな感じです。
ビートシートは物語を書くときは、この順番で書いていけば上手く書けますよという素晴らしいテンプレートです。
脚本にする前にこのテンプレートを元にまずはハコ書きを書いていきます。
すぐに脚本に取り掛かりたい気持ちは分かりますが、ハコ書きは必ず書くべきだと僕は思います。
たとえば、次のシーンで何を書くか浮かんでいないのに今書いているシーンを書き終えたとします。
そうするとそのシーンを書き終えたところで筆が止まります。「うーん次のシーンはどうしよう」と困ってしまうのです。
このようにハコ書きを書かないのは、急がば回れで正直効率が悪いので最初のうちはオススメしません。
さらにハコ書きで構成をきっちり組んだ上で脚本に取り掛かることで、実際に脚本を書くときにセリフを書くことだけに集中することができるのです。
僕も『SAVE THE CATの法則』を読んで、ビートシートにしたがって、ハコ書きを始めたのですが、実際に書き始めるとどんなシーンを書けばいいのか迷ってしまうことがありました。
ひとくちに【オープニング・イメージ】とか、【ファイナル・イメージ】などといっても何を書けばいいのか、最初のうちは難しいです。
僕も何とか自分なりに試行錯誤して考え、このパートではこんなシーンを書くという結論めいたものを自分の中で確立できたと思うので、それを共有していきたいと思います。
まずこの記事では【オープニングイメージ】の書き方について掘り下げていきます。
オープニングイメージ で書くべきこと3つ

ファーストシーンは大事だということは知っていても、的外れなファーストシーンを書いてしまっていることも初心者のうちはよくあると思います。
物語のファーストシーンは一番はじめに読者の目にふれる部分で、作品の方向づけをする大切なパートです。
ファーストシーンでまず読者を物語の世界に引き込まないことには続きを読んでもらいにくくなります。
逆にファーストシーンを面白く書くことができれば、読み進めてもらえる可能性が高まります。
そのためにオープニングイメージのパートでは何を書けばいいのか見ていきましょう。
①ジャンルを決定させるシーン
まず、オープニングイメージのパートでは、今から始まるその物語のジャンルが分かるようなファーストシーンを書きましょう。
ホラー映画なのに”笑える”ファーストシーンや、コメディ映画なのに”シリアスな”ファーストシーンから始まったら混乱しますよね。
ファーストシーンは物語のジャンルの紹介のシーンとして考えましょう。
「これからこういうジャンルの話が始まりますよ」というシーンを書くことを念頭に入れて、物語全体の雰囲気を決めます。
②主人公or敵役が行動中のシーン
登場人物が何か行動をしている動的なシーンから始まる映画は観客を引き付けやすいです。
ファーストシーンには必ずしも物語の主人公を出さないといけないわけではないです。
敵役をファーストシーンに持ってくることで、これから何かしらの対立が始まることを観客は感覚で理解できるのでわりと効果的です。
ファーストシーンに人物を出すときは必ず何か動的なことを行っているところから物語を始めてみましょう。
③謎のあるシーン
謎のあるシーンを書くことで、読者は気になって物語の先を読み進めたくなります。
加えて、初心者の頃には、どっちつかずな中途半端なシーンを書きがちなのでこれも注意しましょう。
何が起こっているかきちんと観客に知らせるのか、それとも謎にしておくのか、必ず意識的に書くようにしましょう。
まとめ

ファーストシーンを考えるときの3つのコツ
①その物語のジャンルをはっきりさせるシーン を書く
②その物語の主人公、もしくは敵役が何か行動をしているシーンを書く
③何がおきているか分からない謎のあるシーンを書く
これらを意識してファーストシーンを考えてみてください。
3つすべてをファーストシーンに入れるのがベストですが、最低でも①と②もしくは①と③という感じで(①は必須)2つ入れられれば面白いファーストシーンが出来上がると思います。
自分で映画を観た上で、このビートシートに当てはめて考えて分析していくと自然とアウトプットも上手くできるようになると思います。
自分で分析するのが面倒だという人には『SAVE THE CATの法則』の続編『10のストーリータイプから学ぶ脚本術』という本もでオススメです。
ビートシートを使って映画のストーリーを分析した例が50本も収録されています。
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