今回は、こういった疑問に答えます。
本記事では、第44回創作テレビドラマ大賞において、受賞するための5つの要素を解説します。
第44回創作テレビドラマ大賞はNHKが主催するテレビドラマ脚本コンクールです。
締め切りは2019年6月30日なので、あと1ヶ月あります。
規定枚数が400字詰で50〜55枚と短めなので、1ヶ月あればなんとか間に合うと思います。
すでに作品に取りかかっている人も多いと思いますが、直しの時に今回解説する5つの要素も参考程度に見ていただければなと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
創作テレビドラマ大賞受賞に必要な5つの要素

以下の5つです。
- ①現代性のある題材
- ②魅力的な主人公
- ③魅力的なその他のキャラクター
- ④作者自身の視点
- ⑤客観的な視点
ではそれぞれ解説していきます。
①現代性のある題材
創作テレビドラマ大賞では、題材が一番重要です。
もちろん技術がともなってないといけないのは当たり前です。
ただ、最終選考まで残れば、あとは「今ドラマにすべき題材かどうか」というのが選考基準の大きな要素になります。
大賞を目指すなら「今ドラマにすべき題材」をストーリーに入れ込みましょう。
とは言っても、YouTubeとかAIとかをそのまま出すだけではあまり意味がありません。
「なぜ今このドラマをやる必要があるのか」という問いに答えられないとダメです。
詳しくは前回の記事を参考に>>>>第44回創作テレビドラマ大賞【受賞に近づくための題材の選び方&考え方】
②魅力的な主人公
コンクールで賞を取るには、主人公のキャラクターが魅力的であるのが絶対条件です。
なぜなら、審査員はキャラクターのセリフを重視するからです。
いいセリフは、魅力あるキャラクターから発せられるものです。
今までにないテーマを考えなきゃとか、面白い展開を作らなきゃとか、そんなことよりまず主人公のキャラクターです。
斬新なテーマとか構成を考え出すと、ラストまで書き終えることすら難しくなります。
もちろんテーマも構成も大切です。でも一番大切なのは主人公のキャラクターだということを忘れないでください。
詳しくはこちらの記事を参考に>>>>初心者でも楽勝!面白い脚本を書く方法【ヒント:主人公のキャラから考える】
③魅力的なその他のキャラクター
主人公のキャラクターも大切ですが、主人公を取り巻くその他のキャラも魅力的に描くべきです。
ドラマとはキャラとキャラのぶつかり合いです。魅力的なキャラクター同士がぶつかることで、面白いシーンが描けます。
先日参加した創作テレビドラマ公開講座でお話ししてくださった脚本家の先生は、まず登場人物の相関図を書いてみるのがいいとおっしゃっていました。
脚本家の古沢良太さんもこう言っています。
キャラクターの個性というのは、その人単独で掘り下げてもあまり意味がなくて。完全に対極にいるような人物を近くに配置したりと、相手役との関係性を大事にしています。今回の『コンフィデンスマンJP』(2018年4月9日より放送、フジテレビ)の場合もそうで、ダー子(長澤まさみ)という本当に無軌道で、何のルールもモラルも気にしない人の隣には、それをすごく大事にするボクちゃん(東出昌大)がいる。そういう関係性を作っておくと、2人に何か一つの話をさせるだけでも、それぞれ考え方が違うので、お互いの個性が際立ってくるんです。キャラクターの個性は、そういった関係性や、やり取りの中でこそ見えてくるし、深まっていくものだと思っています。
脚本家・古沢良太、個性光るキャラクター作りの秘密
つまり、主人公とは真逆の性質を持ったキャラクターを配置することで、キャラ同士の対立が生まれ、面白いセリフも書きやすくなるということです。
主人公のキャラが固まったら、それとは反対の性格を持つキャラを作って相関図を作ってみましょう。
④作者自身の視点
「結局何が言いたいのか」という作者の視点が一切ない脚本は、受賞することはありません。
先日参加した創作テレビドラマ公開講座でお話ししてくださったある脚本家の先生は、「まずはシナリオをラストまで書ききることが大切」だとおっしゃっていました。
「最初から何を伝えたいのかはっきり決まっていることは少ない。だからとりあえずラストまで書いてみる。そうすることで自分はこれを書きたかったんだなと改めて認識することができる。そこからまた修正していけばいい」というお話でした。
この話を聞いて、僕は妙に納得してしまいました。
とにかくラストまで書いてみることで、自然と自分だけの視点や伝えたいテーマが見えてくるということは実際よくあります。
「このストーリーを通して何を伝えたいのか分からない」と悩んでいる暇があったら、まずは下手くそでもいいのでラストまで書ききってみることが大切です。
そうすることで何か見えてくるものが必ずあるはずです。
⑤客観的な視点
作者の視点も重要ですが、それを読んだ人がどう感じるかはもっと重要です。
客観的な視点を得るために、応募前に必ず誰かに自分の作品を読んでもらいましょう。そして感想をもらい、必ずリライトをしましょう。
自分ひとりで書いた作品はキャラに思い入れもあると思いますし、大好きな展開があったりすると思います。
しかし、それは独りよがりである可能性もあります。
他人が読んだとき、キャラや展開に無理があると判断される場合もあります。
自分ひとりでは気づけない第三者の視点をもらうことで、脚本はブラッシュアップされます。
直しをしないで応募する人がいますが、それはもったいないです。
他人に読んでもらって、必ず感想をもらいましょう。そうすることでひとつ上のレベルの脚本に直すことができます。
というわけで今回は以上です。

ではまた次回!
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