脚本の勉強のための効率的な映画分析の手順【なぜ映画を観るべきなのか?】

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脚本初心者・・・「映画を観て分析することが脚本の勉強になるのは分かるけど、そもそも映画の分析ってどうやればいいの?効率よく勉強できるよう具体的な方法を知りたい」

今回は、こういった疑問に答えます。

脚本を書くためには、とにかく大量の質のいいインプットが重要です。

「面白い脚本を書きたい!」と思ってるなら、まずはつべこべ言わずいろんな映画を観てください。

「何から観ればいいのかすら分かんないんだよ!」という人も大丈夫です。僕自身も勉強になった名作と言われる映画を本記事でも紹介します。

僕は脚本の勉強を始めて5年ほど。初心者の頃はよく映画の分析をして勉強していました。今思うと、映画を分析して勉強したことが身になっていると感じています。

では僕がどうやって映画分析で脚本の勉強をしていたのか解説していきます。それでは、さっそく見ていきましょう。

なぜ映画を観る必要があるのか?

解説の前に、脚本の勉強のためにはなぜ映画を観る必要があるのかを書いておきます。

みなさん映画の分析が脚本の勉強になることは、なんとなる分かると面白います。

でもなぜ映画なのか?「TVドラマや小説や漫画じゃダメなの?」と思う人もいるでしょう。

もちろんダメではないけど、いちばん効率がいいのが名作と言われている映画をできるだけたくさん観ることなのです。理由は2つあります。

  • ①2時間前後で1本観られるから
  • ②使い古されたアイデアを知るため

①2時間前後で1本観られるから

TVドラマや漫画を結末まで読むのは、映画を観るよりも時間がかかることが多いと思います。

映画はおよそ2時間で結末まで観れてしまうので、おそらく映画を観るのが一番効率がいいと言えます。

ドラマの脚本家は例外なくたくさんの映画を観ていますし、漫画の神様・手塚治虫も毎日映画を観ていたらしいです。

ドラマや漫画などからも良いインプットはもちろんできますが、その元祖は映画なのです。

効率よくインプットするためには、やはり映画がいちばんです。

②使い古されたアイデアを知るため

「作家になりたいならたくさんの映画を観るべきだ」と色んな人が言っています。

なぜたくさん映画を観るべきなのか。もちろん新しいアイデアを吸収するためでもあります。

ただ、いちばんの理由は「自分が考えた斬新なアイデアが、実は使い古されたものだったことに気づくため」です。

「使い古されたアイデアを使うな」ということではなく、「それは別に斬新でも何でもない」ということを知っておいてほしいということです。

それを分かった上で、自分なりの面白いもの、新しいものを作ればいいのです。

効率的な映画分析の手順

では本題です。どうやって映画の分析をすればいいのか?手順は以下の通りです。

  • ①映画を観る
  • ②あらすじを理解する
  • ③もう一度映画を観て逆バコに起こす
  • ④面白いと思った部分をマークする
  • ⑤なぜ面白いと感じたのか言語化する

①映画を観る

どんな映画を観ればいいか分からないという人もいるかもしれないので、とりあえず何本かあげてみます。

  • E.T.
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー
  • スタンド・バイ・ミー
  • 大災難P.T.A.
  • ダイ・ハード
  • 恋人たちの予感
  • 羊たちの沈黙
  • ゴースト ニューヨークの幻
  • 恋はデジャ・ブ
  • パルプ・フィクション
  • グッド・ウィル・ハンティング
  • アメリカン・ビューティー
  • ギャラクシー・クエスト
  • 千と千尋の神隠し
  • バタフライ・エフェクト
  • おくりびと
  • ラ・ラ・ランド

とっつきやすいように、できるだけ新しめなもの(といっても80年代以降のものですが……)を選んでみました。

ここであげた映画はまず間違いないので、観たことないものは観ておきましょう。

1回でも観たことがあるものはさっそく分析してみましょう。

②あらすじを理解する

映画を観たあとにまずやるべきことは、あらすじを理解することです。

自分で思い出しながら書いてもいいですが、時間がかかるわりにあまり効果はないと思うので、あらすじを読んで流れを頭の中に入れるだけでも大丈夫です。

映画のあらすじが読めるサイトはいくつかありますが、オススメはMIHOシネマです。

こちらのサイトはかなりの数の映画のあらすじが書いてあります。

起承転結で分けられたりしていて分かりやすいので、映画を観たらこちらを一読してあらすじを復習しましょう。

③もう一度映画を観て逆バコに起こす

逆バコは、映画を見ながらそのシーンの場所はどこか、誰と誰がいて、何が起きたか、などを順番に書いていくものです。

10分ごとにタイマーをかけ、ここで「10分」とか「20分」経ったと分かるように時間経過も書いておきます。

僕はノートを横にして見開き2ページを使って順番にシーンを起こしていました。

逆バコ起こしをやっただけでは脚本を書けるようにはなりませんが、様々な映画でこの作業を繰り返していくと、適切な物語の流れや構成が身についていきます。

SAVE THE CATの法則のビートシートを知っていれば、より物語の流れの理解が深まると思います。

逆バコで書くこと・・・
・シーンの場所(柱)はどこか
・シーンはどう始まったか
・出てきたキャラはだれか
・どうシーンが終わったか
・10分ごとの時間経過
・面白いと思ったセリフなどのディテール

④面白いと思った部分をマークする

逆バコを書きながら、「面白い!」とか「上手い!」と思ったセリフやキャラの行動、小道具の使い方などのディテール部分を目立つ色で印をつけておきます。

自分の感情が動いた部分をスルーせず必ず書いて色ペンでマークしておきましょう。これが後々あなたの財産になります。

⑤なぜ面白いと感じたのか言語化する

ここがいちばん重要です。これをやらないと逆バコを書いた意味がほぼ無くなります。

逆バコ起こしが終わったら、色ペンでマークしておいた部分を見返してみてください。

そして、なぜそこが面白いと感じたのか考えてみましょう。

たとえば『アパートの鍵貸します』の小道具について。主人公は、想いを寄せる女を家に入れ、パスタを茹でるのですが、テニスのラケットで湯切りします。

僕はこの部分をマークしたのですが、なぜ面白いと感じたのか考えて、「テニスのラケットを本来の使い方とは違う使い方をしたから」と言語化しました。

『小道具は本来の使い方とは違う使い方をさせると面白い』という公式ができました。これはいろいろなことに応用できます。

たしかシナリオセンターの20枚シナリオの課題で、「マッチ」とか「ハンカチ」みたいなお題があったと思うんですが、マッチやハンカチをそのままの使い方をしていてはなかなか面白くできないかと思います。

なのでこの公式を思い出して、小道具を使うときは普通の使い方をするのではなく、本来の使い方とは違った使い方ができないかを考えてみましょう。

映画を観ながら「面白い!」と感じられる部分をたくさん見つけて、なぜ面白いのかをどんどん言語化してみてください。

それは面白い脚本を書くためのあなたの武器となり、執筆のときにいつでも活躍してくれるようになります。

実は、逆バコをたくさんやったとしても、ストーリーの流れが感覚的につかめるようになるだけです。

それだけでは時間ももったいないので、「面白い!」を言語化し、公式を作って、どんどん使える武器を増やしていってください。


とういわけで今回は以上です。

ヒセオ
ヒセオ

ではまた次回!

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