今回は、こういった疑問に答えます。
脚本は、まず書き始めないことには、書けるようになりません。
絵だってスポーツだってなんでもそうですよね。とにかく実践が大切。脚本もとにかく書き始めることからスタートです。
「でも何から書けばいいか分からない!その書き始め自体ができないんだよ!」という人は落ち着いてください。本記事を読んでもらえば大丈夫です。
僕は脚本の勉強を始めて5年ほど。実践を続けるうちに初心者にオススメな脚本の発想法というか、書き方みたいなものが分かってきたので本記事では、脚本初心者にオススメな『主人公のキャラクターから考える脚本の書き方』を解説します。
それでは、さっそく見ていきましょう。
初心者でも楽勝!面白い脚本を書く方法

初心者でも楽勝な脚本の書き方は、まず主人公のキャラクターを作って、そこから発想を広げていくという方法です。
初心者がハマりがちな罠・・・「テーマを考えなきゃ、クライマックスを考えなきゃ、面白い展開を作らなきゃ」
こんなこと考え出すと、ラストまで書き終えることができず、ほぼ挫折します。
もちろんテーマもクライマックスも展開も大切ですよ。でもこれ考えるのってけっこう難しいですよね。
ではどうすればいいのか?まず最初に主人公を作ってしまえばいいのです!
主人公のキャラを先に作ってから発想していくと、あら不思議。めちゃくちゃ簡単に面白そうな話ができあがります。
そしておそらくこれがいちばん簡単で、いちばん楽しく書ける方法だと思います。
まずは難しいことは考えず、主人公を作ってみましょう。
主人公の作り方の手順

ではどうやって主人公を作ればいいのか?手順は以下の通りです。
- ①主人公の職業を決める
- ②主人公のダメなところを作る
- ③主人公の名前を決める
- ④主人公のトラブルメーカーを作る
- ⑤主人公は最後こうなるを決める
①主人公の職業を決める
まずは主人公の職業を決めてしまいましょう。できるだけその職業から性格がイメージできるものにするのがコツです。
サラリーマンとか主婦とか学生とかざっくりしたものだとキャラのイメージがまったく出てきません。
もっと具体的に、刑事、タクシー運転手、宇宙飛行士、下着販売員、とかこんな感じで考えてみましょう。
なんとなくキャラのイメージが湧いてくると思います。
サラリーマンだったらどんな会社でどのくらいの地位なのかなど、イメージを湧かせるためにいろいろ考えなくてはいけないのでけっこう面倒です。笑
刑事や宇宙飛行士だと一瞬でイメージが湧きやすいと思います。
ただ、身近な職業ではないのでちょっとどう書けばいいのか分からないかもしれません。
そんなときは、遠すぎず近すぎない職業を考えてみましょう。
タクシー運転手とか下着販売員だったら、なんとなくどんな仕事をしてるのか想像つくかと思います。
刑事のことは書けなくても、町の交番のお巡りさんのことなら書けるかもしれません。
『キャラクターのイメージが湧き、遠すぎず近すぎない絶妙な職業』が思いつけばベストですね。
②主人公のダメなところを作る
次に主人公のダメなところ、弱点を作りましょう。
理由は、その方が面白くなりやすいし書きやすいからです。単純ですけど大切なことですよ。
弱さやダメなところもない完璧な主人公だったら、ストーリーは面白くなりようがありません。
ダメなところを考えるコツは、職業のイメージとは逆にすることです。
たとえば、気弱な刑事、方向音痴のタクシー運転手、ドジな宇宙飛行士、貧乳コンプレックスの下着販売員などです。
こうすることでより弱さやダメさ加減が際立ち、キャラクターも立ってくるのが分かるでしょう。
気弱な刑事なんて実際にはいないって?いいんです。フィクションなんですから。
それに書き始めれば分かると思いますが、実際にいる人を描いて面白くするのは至難の技です。
初心者のうちは、まず職業のイメージとは逆のダメなところを主人公に与えてみましょう。
③主人公の名前を決める
次に主人公の名前を決めましょう。
キャラクターのイメージ通りの名前をつけるだけで、キャラクターが生き生きと描けるようになります。
たとえば、「田山三郎」という名前と「白鳥隼人」という名前では、受けるイメージがまったく違うのが分かるでしょう。
イメージ通りの名前をつけたほうが読者にも分かりやすいです。
都会育ちのシティーボーイで青山学院大学付属高校の男子高生が「田山三郎」だったらちょっと混乱しませんか?
特にコンクールの下読みの人は何作品も読んで疲れてるし、キャラの区別がつきにくいだけで、読むのが少しイヤになるでしょう。
コンクールで変な減点をされないためにも、しっかり名前を考えましょう。
イメージ通りの名前ができれば、作者自身がしっかりとキャラを把握できるという利点もあります。
皆さんが思っている以上に、名前というのはキャラクターの大切な要素です。
名前がバチコーン!と決まれば、主人公のキャラクターはできたも同然です。
④主人公のトラブルメーカーを作る
次に主人公にとってのトラブルメーカーを作りましょう。トラブルメーカーとは、主人公を困らせるキャラのことです。
トラブルメーカーキャラを主人公にぶつけることで不思議と話が面白くなります。面白い話というのは、主人公を困らせることで進んでいくのです。
自分の好きな映画やドラマを思い出してみてください。主人公ってずっと困らされっぱなしじゃないですか?
たとえば、『白い巨塔』も『白夜行』も『モテキ』も『半沢直樹』も主人公がどんどん困難に見舞われますよね。
面白い話を考えるときは、「どうしてこんなことに……」「なんでこんな奴と……」と、どんどん主人公を困らせるようにアイデアを出しましょう。
初心者にオススメのコツは、「主人公と真逆の性格」や「相容れない職業・立場」などからトラブルメーカーのキャラを考えることです。
そして、主人公とトラブルメーカーを対比することで、それぞれのキャラがより明確になります。
そんなトラブルメーカーと、主人公が一緒に仕事したり同居しなくてはいけなくなったらこれは困りますね。
「トラブルメーカーと一緒に行動しなければならなくなる」を考えると、さらにストーリーが立体的に広がっていくと思います。
⑤主人公は最後こうなるを決める
最後に、主人公はラストでどうなるのかを決めましょう。
書き始めたけど最後まで書き終えられないという最悪の事態を避けるためです。
あらかじめゴールを決めておくことで、ストーリーの向かう先が定まって書きながらでも軌道修正がしやすくなります。
コツは、「主人公が最初はやりそうになかったことを、最後にはやるようになる」を考えることです。
「最初は嫌いだった相手を、最後には好きになってしまう」とか「最初は恨んでいた相手を、最後には許す」とかですね。
これはパターンが決まっているので、そこまで頭を悩ませる必要はないかなと思います。ここで時間使いすぎて書き始められないことの方が問題なので。
たくさんの名作と言われる映画やTVドラマを見てみれば、初登場の主人公とラストの主人公はまったく違う考え方を持った人間に変化していることが分かるでしょう。
ここまで決まれば話はできたのと同じです。さっそく書き始めちゃってもいいでしょう。
~おさらい~

①主人公の職業を決める・・・性格がイメージしやすく、遠すぎず近すぎない職業がグッド!
②主人公のダメなところを作る・・・職業のイメージとは逆のダメなところを設定する!
③主人公の名前を決める・・・そのキャラに合ったイメージ通りの名前をつけてやる!
④主人公のトラブルメーカーを作る・・・主人公を困らせるキャラを作って、ストーリーをイメージする!
⑤主人公は最後こうなるを決める・・・「主人公が最初はやりそうになかったことを、最後にはやるようになる」を考える!
とても簡単なのでぜひこの手順で物語を作ってみてください。
というわけで今回は以上です。

ではまた次回!
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