SAVE THE CATの法則まとめ!面白い脚本の書き方⑨(すべてを失って・心の暗闇編)

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◎脚本家を目指している人・・・

主人公がやられるシーンを書くのが苦手。どうしても手加減してしまう……。

ヒセオ
ヒセオ

すべてを失ってと心の暗闇では主人公がボロボロになる。どん底に落とせば落とすほど物語は面白くなる。

◎この記事で分かること・・・
■物語の構成が分かる。
■的確な【すべてを失って】【心の暗闇】のパートを作れるようになる。

今回の記事は、『SAVE THE CATの法則』のチャプター4に記載されている“ブレイク・スナイダー・ビート・シート”を元に【すべてを失って】と【心の暗闇】のパートについて書いていきます。

本を読んだだけではちょっと分かりにくい部分まで詳しく掘り下げていきたいと思います。

すべてを失ってについて

【すべてを失って】は、主人公がどん底になるパートです。

もういっそ逃げ出してしまった方が楽になれるくらいどん底です。

『SAVE THE CATの法則』を読むと

【すべてを失って】は【ミッドポイント】の絶好調とは逆の絶不調になる。もちろんそれは見せかけの絶不調であり、最悪の状況は一時的なものだが、いかにも主人公の人生はめちゃめちゃになったように見える。失意のどん底で希望のかけらもなくなる。

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』

と書いてあります。

【すべてを失って】では主人公をコテンパンに痛めつける必要があります。

書き手になるとわかるのですが、これが結構難しいです。

主人公をボコボコにすればするほど、復活のクライマックスのシーンが盛り上がります。

【すべてを失って】はクライマックスを盛り上げるために存在しているのです。

どう書けばいいのか僕なりに考えてみましたので、以下で解説していきます。

精神的なダメージと肉体的なダメージ

【すべてを失って】で書くことは、精神的なダメージと肉体的なダメージの2つです。

まず精神的なダメージとは『SAVE THE CATの法則』にも書いてある死の気配です。

著者のブレイク・スナイダーは【すべてを失って】では誰かが死ぬことが多いと書いています。

誰かが死ななくても死を象徴するようなものが提示されるとインパクトが増し、観客の心を動かすと言っています。

次に肉体的なダメージとは怪我病気など目で見て分かるダメージです。

注意点として、なんの前フリもなく怪我をしたり、病気になったりというのはやめましょう。

【お楽しみ】をした結果→【迫り来る悪い奴ら】で暗雲が立ち込め→【すべてを失って】で肉体的ダメージを受けるのです。

 精神的なダメージと肉体的なダメージの両方を与えることで、分かりやすく主人公をどん底に叩き落とすことができるかと思います。

主人公に残酷な物語は面白い

初心者のころ僕がよくやってしまっていたこととして【すべてを失って】のパートで手加減をしてしまうということがありました。

理由としてはここで主人公を痛めつけすぎると、続くクライマックスに向けてどうやって主人公を復活させるのか……?

こんなボコボコにやられた人間がどうやったら立ち上がるんだ……?というようにアイデアが思いつかなくなってしまうからです。

これが解決したのは、動機というものをしっかり考えてからです。

ボコボコになった人間がもう一度立ち上がるには相当な動機が必要です。

以前【第一ターニングポイント】について記事で書いたように、物語の動機となり得やすいのは性欲承認欲求です。

続く【第二ターニングポイント】で主人公はもう一度立ち上がることを決めるのですが、この動機さえしっかりしていれば大丈夫です。

僕はそう考えて書いていった結果、『すべてを失って】で安心して主人公をどん底に叩き落とせるようになりました。

また、無意識のうちに、主人公が可哀想に思えてしまうから【すべてを失って】で手加減してしまうということがあるかもしれません。

書き手がそんなことではいけません。

クライマックスをとことん盛り上げるためだと考えて心を鬼にしましょう。

主人公に残酷な物語は面白いのです。

心の暗闇について

『SAVE THE CATの法則』を読むと

名前の通りここは夜明け前の闇のようなもので、主人公は深く考え、心の奥底を探る。実は自分や仲間を救うための最善策を思いつくのはもうすぐなのだが、この時点ではそんなアイデアは生まれる気配すらない。すべては闇なのである。

『SAVE THE CATの法則 本当に売れる脚本術』

と書いてあります。

【心の暗闇】は【すべてを失って】でボコボコにされた主人公がどう感じているか、葛藤を見せるパートです。

【きっかけ】で事件を書いたのと同じように【すべてを失って】では事件で主人公をどん底にします。

そして【悩みのとき】で葛藤するのと同じように【心の暗闇】でもボコボコになった主人公の葛藤を見せましょう。

【すべてを失って】では作者が考えた事件で主人公をどん底に落とし、【心の暗闇】でその主人公の感情を観客に伝えるように書くとうまくいきます。

まとめ

①すべてを失ってでは精神的なダメージと肉体的なダメージを与える。

②主人公に残酷な物語は面白い。

③クライマックスを盛り上げるために主人公をボコボコにする。

④心の暗闇ではボコボコになった主人公の葛藤を描く。



次の記事へ>>>>SAVE THE CATの法則に学ぶ!面白い脚本の書き方⑩(第二ターニングポイント編)

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