今回は、こういった疑問に答えます。
ストーリーを作るには、大きく分けて2つの方法があります。「キャラクターからストーリーを作る方法」と「ログラインからストーリーを作る方法」です。
本記事では、脚本初心者にオススメな「ログラインからストーリーを作る方法」を解説します。
ログラインとは、その話の内容を3行くらいで端的に書いたものです。まず、このログラインが面白くないと、面白い脚本を書くのは難しいです。
逆に面白いログラインさえ作れば、面白い脚本を書くことができるとも言えます。
本記事を読んでもらえば、面白いログラインの作り方が分かり、面白い脚本を書くためのとっかかりになるかと思います。
僕は脚本の勉強を始めて5年ほど。初心者の頃は分からないことだらけでしたが、実践を続けるうちに初心者にオススメな脚本の発想法というか、書き方みたいなものが分かってきたので解説します。
それでは、さっそく見ていきましょう。
まずはログラインを考える

まず脚本を書く一番はじめにログラインを考えてみましょう。
ログラインは、『Aな主人公が、Bに出会ってCする話』、『Aな主人公がBをして最後Cになる話』といったように書きます。
「誰が、何をして、最後どうなる」という抜群に面白い3つのアイデアを考えることを意識しでください。
いいログラインの条件とは

いいログラインの条件は2つです。
- ①短くシンプルなもの
- ②皮肉を含んだもの
①短くシンプルなもの
ログラインは、短くシンプルなほど良いです。たくさんのアイデアを詰め込めば詰め込むほど面白くなるわけではありません。
アイデアをごちゃ混ぜにすると、物語に一本の芯が通らなくなって、とっ散らかってしまいます。
ですので、こうなって、ああなって、こうなって……みたいな長いログラインにならないようにまず気をつけましょう。
②皮肉を含んだもの
『こんな主人公が皮肉にもこんなことをする羽目に』と考えるとログラインを面白く書きやいです。
『女子シンクロ選手がオリンピックを目指す話』よりも、『男子高校生が仲間を集めて男だけのシンクロをする話』のほうが面白そうですよね。
『ウォーターボーイズ』は、男なのにシンクロをするから、新しくて面白いのです。これが皮肉です。
他にも簡単に例をあげてみると
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
30年前にタイムスリップしてしまった高校生の主人公が、皮肉にも若い頃の母に惚れられてしまい、自分の生存をかけて父と母の恋のキューピッドをする羽目になり、なんとか未来に帰る。
『ジョーズ』
警察署長でカナヅチの主人公が、町を守るため、皮肉にも海に現れた巨大な人喰い鮫と対決する羽目になり、なんとか勝利する。
面白くて売れた物語は、ログラインだけで「面白そう!」となるものばかりです。
このように皮肉を含んだログラインを作ることで、物語を通して成長した主人公を自然と見せることもできるのです。
ログラインを作る際の重要な点

ログラインを作る際の重要な点は3つです。
- ①主人公をとにかく面白くする
- ②ラストを決める
- ③人に話す
①主人公をとにかく面白くする
まずこれに尽きます。そして、オリジナリティーはここで発揮しましょう。
まずは主人公を面白くしないことには、いくら天才的な物語の筋を思いついたからといって、物語を書き始めてはいけません。
でも主人公を面白くするってどういうこと?って感じですよね。
脚本の初心者の方がよくやりがちな主人公の設定として、「過去にこんなことがあった」という設定をするパターンが多くあります。
主人公の過去を考えるのは悪いことではないですが、ストーリーは基本的に主人公の今を描くものです。
これは実際に脚本を書き始めれば分かるのですが、「過去にこんなことがあった」だけでは主人公をうまく描けません。
過去を考える前に、現在を考えましょう。
例えば、漫画のONEPIECEの主人公ルフィを例としてあげてみます。彼はゴムゴムの実を食べたゴム人間で、麦わら帽子をかぶっています。
「ゴムゴムの実」とか「麦わら帽子をかぶった海賊」などの設定って、よくよく考えるとすごいオリジナリティーだと思いませんか。
手っ取り早く面白い主人公を作るためにはまず、その主人公だけが持つ「身体的特徴」や「身につけているもの」を考えてみましょう。
身体的特徴とは、「ハゲてる」とか「足が不自由で電動車椅子に乗ってる」とか「小指がない」とかそんな感じでOKです。
身につけているものはなんでもいいです。ただ、普通の人はあまり身につけないものがいいです。
例えば「カツラ」とか「牛乳瓶の底のようなメガネ」とか「広辞苑」とかそんな感じです。
手っ取り早く主人公を面白くするには「身体的特徴」と「極端な性格」を作ってみてください。これで簡単に勝手にキャラが立ちます。
②ラストを決める
『こんな主人公がこんなことをする羽目に』のつかみまで決めたら、結局最後どうなるのかというところまで書きます。
これをしないで書き始めると、話の芯がブレていってしまいます。
芯をブラさないために物語のラストをしっかり設定しましょう。
ストーリーのラストについてはこちらの記事を参考にしてみてください>>>>【秘伝・シナリオ骨法十箇条】知らないと損する面白い脚本の書き方【その九、オチ】
③人に話す
ログラインができたら実際に脚本を書き始める前に必ず人に話してみましょう。
話せる人がいないなら、ツイッターでつぶやいて反応をもらうのもいいでしょう。
逆に、人に話そうとも思わないようなログラインは、自分でもそんなに気に入ってないものだということです。
とりあえず人に話して、「面白そう」の一言をもらうことで、ひとりよがりにならず、自信を持って物語に取り掛かることができます。
なにより「面白そう」の一言はとても嬉しいですし、モチベーションが上がります。
というわけで今回は以上です。

ではまた次回!
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